水路

生活、まれに音楽

ねじれの位置

太陽がさ、優しくしてくれるから勘違いしちゃったよ、まだ5時にもなってないじゃないか。そうやって好き勝手甘やかして、いつの間にかまた自分から遠ざかっていくんでしょう?まったく嫌になっちゃう。でもまぁ、あと少しその優しさに甘えていたいな。もう2週間もないけれど。

この季節は日が伸びていくから良い。暗いと気が滅入るから、なるべく太陽に触れていたい。まだ梅雨にもなっていないけれど、すでに真夏が恋しい。


初夏。誰も乗っていない電車とホームにあなたと自分、それぞれ立っている。他愛のない会話の中、刻一刻と迫る時間。言いたいことばかりが言えない。喉まで出かかっているのに。
「また連絡するね」
アナウンスとともに扉が閉まる。できるかぎりの笑顔を作る。車内のあなたは微笑んで軽く手を振ってくれた。電車はゆっくり動き出し、ホームから去っていった。
頭に浮かんでは消えていく思い出の数々。言えなかった思いが目から溢れて、消えない跡を頬に残す。今まで沢山の機会を逃してきた。きっとこれからもそう。