水路

生活、まれに音楽

2019-01-01から1年間の記事一覧

唐宮駅 2番ホーム

聴き慣れない言葉、ふらつく女性、扉が開いてこちらを一瞥、電光掲示板に遅延の文字列、エンジン、徐々に上がる回転数、汗と香水の混じった臭い、橋を渡る光、月のない空、日本語と英語のアナウンス、その繰り返し、笑う若者、サラリーマンの隣は空席、転が…

通学路に陽炎

チャーハンから上る湯気を見ている。ため息1つ。なんとも落ち着かない。町内放送「██地区にお住まいの███さんが、今日の午前10時頃家を出たきり行方不明になっています。(視界にモヤ)身長は170センチ、体格は普通。服装は紺のジャケットにベージュの長ズボン…

Zomby - Digital Fauna

再び生活に関する記事ばかりになってきたので、いい加減音楽を紹介します。Zomby - Digital Faunahttp://youtu.be/bKzB-J5pmjQZombyことJustin James Mouldsは、イギリス出身のダブステップ系アーティスト。特徴として古いゲームのBGMのようなピコピコした音…

ナンバープレート

精神的にだいぶ厳しいイベントがあったため███を一気飲みして臨んだ。なんとか乗り切った。心を覆っていたモヤモヤが一気に晴れて、今は少しの眠気と心地良さだけが残っている。銀杏並木を歩く。道は黄色く染まっている。落ち葉の山を蹴り上げた。秋は去りも…

無題

高校時代を振り返る。空っぽの日々だった。クラスの隅で息を潜める生活をおくっていたわけではない。休み時間に談笑する同級生はいたし、部活をやっていたから先輩や後輩もいた。しかし、深い仲になった人は一人を除いていない。そしてその人とも卒業を機に…

Flume - MUD

Flume - MUD www.youtube.com 今回は、今年の3月にリリースされたミックステープ"Hi This Is Flume"より"MUD" について。 まず導入部のシンセとドラムに圧倒されます。そして声の絡む流麗なパートを挟んでからノイズとともに上昇、ドロップで大爆発。 この曲…

無題

短い物語を読んだ。登場人物が入水自殺をした。いわゆるバッドエンドだった。実生活が空っぽな分、小説なり映画に触れるとひどく感銘を受けて、数日間はそちらへ気持ちが引っ張られてしまう。少し前の話。ある日、早めに出勤して、就業時間まで事務所の裏で…

臨界点に花が咲く

たまには贅沢を、と買ったパックの寿司がとても不味かった。虚しさが募る。これならいつも通りカップラーメンでよかったんじゃないかと後悔した。電車に乗ったら寝てしまい、終点で降りることになった。せっかくなので駅を出てぶらついてみる。大きなロータ…

Cashmere Cat - With Me

Cashmere Cat - With Me www.youtube.com Cashmere Catは、ノルウェー出身のMagnus August Høiberg (1987年11月29日生まれ)によるプロジェクト。 "With Me"は、彼の2枚目のEP"Wedding Bells EP"に収録されています。 物悲しいピアノフレーズにピッチの捻じ曲…

現在地不明 2

今日の天気は白かった。夕方、買い物に行った。日用品売り場で知人を見かけたが、話しかけなかった。適当な石鹸と歯ブラシを買い物カゴへ放り込む。レジの傍に置かれたカロリーメイトを買う。店を出て箱を開け、一口齧った。プレーンなので味はしない。帰り…

Lapalux - 1004

最近よく聴いている曲について。 Lapalux - 1004 www.youtube.com Lapalux (ラパラックス、Lap of Luxuryの略)ことStuart Howardは、イングランド出身のプロデューサーで、現在30〜31歳。作品の大半をFlying LotusのBrainfeederからリリースしています。 "10…

Flume - Star Eyes

前回に引き続き音楽の話を。 Flume - Star Eyes www.youtube.com FlumeことHarley Edward Stretenはオーストラリア・シドニー出身のプロデューサー。1991年11月5日生まれの28歳です。 幼い頃、父親に買ってもらったシリアルボックスに付属していたCDが音楽を…

Shlohmo - Parties

"音楽と生活"を掲げているにもかかわらず、生活に関する記事ばかりなので、たまには音楽の話をします。 Shlohmo - Parties www.youtube.com Shlohmo (本名 Henry Laufer)は、アメリカ・ロサンゼルス出身のプロデューサー。今現在28〜29歳。初期にはHenry Fro…

現在地不明

線路に沿って歩く。こちらに気づいた野良猫が道路を横切り柵の下に消えていった。今日はいつも以上に空気が厚い、踏み出すたびに抵抗を感じる。水中で暮らすのが魚なら、陸の生物は水蒸気に包まれ生活している。そこに大きな差はない。立ち止まる。喉が開い…

マレーシア

散歩中いつもの交差点を曲がらず直進した。空き地で子どもたちが走りまわる、その向こうには親とおぼしき女性が2人。1人はサンバイザーをかぶり、もう片方はアームカバーをつけていた。信号を待っていると、コンクリートに黒いシミを見つけた。ここにも、あ…

No.25

コンビニのレジに並んでいると、後ろから話し声が聞こえてきた。「ここのコンビニ、昼間にめっちゃ使えない店員がいるんだって」イヤホンの音量を上げる。心が荒むから人の悪口はなるべく耳にしたくない。しかし思い当たる節がないわけではなかった。以前こ…

激熱冷やし中華

週末、実家に帰った。ここ数年は年末や盆になるたび、忙しくて帰れないと実家に連絡するのが常態化していた。金曜日の夕方、仕事を終えたその足で新幹線に乗る。久しく会っていなかったが、両親は昔のままであった。もっと前から知らせてくれればご馳走でき…

3秒後に忘れた世界

Twitterで流れてきたコスプレイヤーの顔が変わっていた。以前見たときと鼻の形が違う。だからどうしたというわけでもないけど。火傷をした。冷やさずにいたら水ぶくれができた。周囲の毛が焦げて縮れているのも含めて面白い。海にいた。まだ朝なのに暑かった…

21グラムの行方

早朝、散歩をしていたら、道でカラスが死んでいた。まだ息絶えて間もないのか、虫も湧いていない。目がビー玉みたいで綺麗だった。珍しいものに出くわしたことで上がるテンションと、死んだ生き物を前に浮かれるのはどうかという気持ちがないまぜになったま…

射的

夏なのにそれらしいことをひとつもしていないと気づき、花火大会へ行くことにした。夕暮れ、家を出て駅へ向かう。駅のホームは、やはり花火を見に行くであろう若者や親子連れでごった返していた。浴衣や甚兵衛を着ている人もチラホラいる。電車を降り、群衆…

坂を下ればバス停が

日々の中で、なんとなく良いと思った言葉をメモ帳に書き溜めている。深海魚の学名だったり、バス停の名前だったり。数年は続けているがもう随分増えた。 最近のお気に入りは「25時のバカンス」というフレーズ。市川春子の短編集のタイトルだ。好きな漫画の1…

ファミリーマート

温度の差が激しい。 外は暑いのに、建物の中は冷房が効いていて寒いくらいだ。今日は職場に羽織るものを忘れた結果お腹を壊した。 冷えた場所から暑いところに出ると、感覚が麻痺しているのかしばらく暑さを感じないし、汗もかかない。 セミが鳴いている。空…

夕闇の釣り人

旧友と遊んだ、会うのは数年ぶりだった。 電車を何本か乗り継いで都心へ行く。改札の柱にもたれかかる彼女は、あの頃とほとんど変わっていなくて、すぐにわかった。 映画を観てから喫茶店へ入りお互いの近況報告。昔話に花が咲いて懐かしい気持ちになった。 …