水路

生活、まれに音楽

射的

夏なのにそれらしいことをひとつもしていないと気づき、花火大会へ行くことにした。

夕暮れ、家を出て駅へ向かう。駅のホームは、やはり花火を見に行くであろう若者や親子連れでごった返していた。浴衣や甚兵衛を着ている人もチラホラいる。
電車を降り、群衆に紛れて大会の開かれる河原へ移動。会場にはすでに出店が並んでいる。
あたりに漂う美味しそうな香りや、賑やかな雰囲気に気分も高揚する。タコ焼きと焼きそばを買い、遊歩道の柵に陣取った。

しばらくすると空に花火が上がった。歓声に続いてドンという音が響く。
道中で買った缶チューハイを開け、一気に喉へ流し込んだ。夜空に輝く花火、雑踏、楽しげな子供の声、むせかえるような暑さ。まるで全身の毛穴という毛穴から夏を吸い込んでいるようだった。2時間ほど花火を鑑賞して帰路についた。